基準となる自分だけの本

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基準となる自分だけの本

侮れない合格体験談

さて入門書の読破をおえたら、次は「自分の基準となる本」を一冊決めましょう。

行ってみれば「その学科における自分の馴染の本」を決めてしまうのです。

塾での受験勉強においては大学受験から様々な資格試験にいたるまで、学科ごとに評価の高い問題集がいくつか存在するので大変助かります。

ですからそのような標準レベルの問題集の中から自分がやりやすいと感じるもの、入学試験であれば、志望校の出題傾向に合うものを選択すればよいのです。

時々、他人と同じ物を使うことを嫌がって少数派の問題集を買う人がいますが、これはあまり良くありません。

娯楽として読むならかまいませんが、受験が絡む場合、また資格試験に合格したいとか、

TOEICなどで高い点数を取りたいという目標があるなら皆と異なる方法で「逆転ホームラン」を狙うことは全く意味がありません。

合格、不合格の明暗を分ける試験においては合格圏内に入っていれば良いのだし、点数を競うテストであれば、合格ラインより上を取れば良いのです。

奇をてらって、逆に周りの人達が簡単に点数を取れる個所で問題が解けない方がよほどリスクがあるのです。

では、自分の基準の本となる一般的な問題集を選択するときは、何をもとに決めたらよいのでしょうか。

まずは様々な塾生の合格体験談や、大手予備校や塾が開示している情報、もしくは受験専門雑誌などを見てみましょう。

その中にある合格体験談を侮ってはいけません。

たしかに、近頃の合格体験談については「やらせ」的なものが多いという話もよく聞きます。

最近だけの話ではなく、私が司法試験に受かった時代でも「体験談に書いてあることに予備校が内容を付け足している」と噂話はありました。

しかし、合格した人が面倒をみてくれた予備校のことを褒めるのは当然のことで、そのあたりの事を差し引いたとしても、

合格体験談には後輩のための多くの受験情報と「合格の鍵」がつまっています。

私が司法試験の受験勉強をスタートする際に初めにしたのは、過去3年の「合格体験談」を購入し、

読み込むことでした、ことに短い期間だけ勉強して合格を手にした人の体験談をよく読み、問題集などもそれを参考に購入しました。

またそれらの合格体験談はいつも「手が届くところ」にしまうようにして、

勉強が思うようにはかどらなくなると必ず手にして少し読んでは色々と考えを膨らませ、解決策を編み出すことにしました。

どうしていつでも体験談が見られるようにしたかというと、自分の勉強の進度やタイミングによって体験談の読み方が違ってくるからです。

例えば大学入試では「夏休みに何を勉強するか」と「受験の直前に何をするか」は大幅に異なります。

合格体験談を夏休みに読んでしまうとどうしてもそれを記した人が夏休みに勉強した内容ばかりを読み込んでしまいがちで、

もし受験の直前に関係する個所を読んでも、現実に受験間近になった時には記憶に残っていないでしょう。

通常は受験が近づいてやっと受験の直前に関して書いてあるところを詳しく読むようにするものです。

ですから合格体験談は絶対に購入して手元に置いておきましょう。

そしてこのような体験談の中には「基準の本」を選択するための受験情報も多く盛り込まれているのです。

 
基準となる自分だけの本

全ての情報を基準の本の空欄にメモする

このようにして自分自身の馴染の一冊となる基準の本が決まったら「その本に役に立つ情報を集積する」ということをします。

私は司法試験の受験を控えていた頃、弁護士、公認会計士、通訳の「資格3冠王」と呼ばれた黒川康正氏の後援会を聞きに行ったことがあります。

そのとき黒川氏は刑法の学習法について「司法試験の刑法総論の過去問を全て『刑法総論』のテキストのページの欄外に書いていった」という経験談をしてくれました。

そうしたところ、黒川氏の「刑法総論」の問題集は「共犯」に関する章は黒で埋め尽くされたのにあとの3分の1くらいは真っ白のままだったそうです。

この逸話は、使用しておられた問題集の実物を提示しながらお話しくださいました。

つまり黒川さんが言いたかったのは「試験問題となるところはおおよそ決まっているのでそこに重きを置きながら学習し、

関係なさそうなところはさっと目を通す程度でいい」ということでした。

大学受験でも私が受験した大学を例に挙げると東京大学文系の入試では細部にわたるような知識は要りませんでした。

ところが早稲田大学の政経学部の入試問題では細部まで知っていなければ答えられないような問題が脱されていました。

そこで私は早稲田の政経学部は社会ではなく数学で受けることにしたのです。

黒川さんの講話は大変考えさせられるもので、ことに「過去問題を基準の本の空欄に書き残していく」というのは極めて無駄のない方法論と言えるでしょう。

私が教える吹田の塾生にもやらせてみましたることにしました。

過去問題だけでなく、それ以外の問題集や参考書の中で納得したことや、模試で問題が出たけれども、基準の本には詳細が説明されていない事などをどんどん基準の本の空欄に記入していきました。

こうして1冊の基準本に大事な事柄を集約させると「この問題、以前にどこかで見かけたなぁ、どこだったかなぁ・・・。」

ということが起こった時に、受けた模擬試験の問題や多くのテキストの中から時間をかけて探さなくてもよいのです。

参考書一冊を調べれば全て解決するのです。

これは非常に時間の短縮になるので、是非やってみてください。

また別の参考書から書き写した時は、どの参考書から写したかをメモしておくとさらに良いでしょう。

例えば、憲法で言うと(憲法学の巨匠として有名な)芦部信喜先生の名高い演習書『演習憲法』(有斐閣)のP30に記載されていることを参考書に書き写したあと、「芦演30」とでも書いておくのです。

するとその部分をもっと調べたいときに『演習憲法』のP30に載っていることがすぐ分かるからです。

前回の記事はコチラ→【全ての事柄を1冊の基本書へ

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