潜在意識の間違った使用法
ただし潜在意識を用いるときには注意しなければならない事がひとつあります。
それは「潜在意識は上手くいく想像も受け入れるが、反対に失敗してしまうことも受け入れてしまう」ということです。
つまり、「また下手なことをしてしまうんじゃないだろうか」などとマイナスのイメージをもっているとそれが潜在意識に入り込んで実際に失敗してしまのです。
私が司法試験を受けた時代は10年、20年と毎年チャレンジしている人が当たり前に多くいました。
能力のない人が合格できないのは仕方ないことですが、その頃の司法試験を受験する人達の中には驚くべき力がありながら何度受けても不合格する伝説の?受験生が必ず存在しました。
合格する人があまりいなかったころといっても、ざっと500人は合格する試験です。
毎年模擬試験では群を抜けて良い成績をとる人がどうして合格しないのか私には理解できませんでした。
これは私の憶測ですが、そんな人は「今回もまたダメなんじゃないか」という悲観的な考えを潜在意識の中にもってしまっているのではないかと思います。私が教える吹田の塾生にも何人かいます。
もっとありふれたたとえ話だと、仕事上の先輩から「決して間違えないように!」と念を押されたときに限って間違えてしまう、という体験があるサラリーマンはたくさんいると思います。
「大事な顧客だから失礼のないように」と言われるとどういう訳かお茶をこぼしてしまう。
といった事を何度もしてしまう人もいるそうです。
本当は私も「Kの人には絶対丁重に接しなくてはならない」と肩に力が入った時にかぎって、信じられない失敗をしてしまった経験が多くあります。
これを潜在意識と捉えるか、もしくは「良くない自己暗示」と捉えるかは言い方が異なるにすぎません。
つまりあまりにも完璧な成功のイメージを想像すると、反対にミスする事が極端に怖くなってひどい逆効果となってしまう場合があるのです。
わたしは塾生によく言うのは、「必ず成功使用」「必ず合格しよう」などと過度に思い込まないようにして、いつの間にか「なんとなく上手くいく気がしている」「合格する自分の姿が頭の中にあった」程度の想像が良いと教えています。
習慣で成功と失敗が決まる
普段から粘り強く考える習慣をつけよう
何かに一生懸命取り組んでも、それが終了してしまうときれいさっぱり頭から抜けてしまう人がいます(私の娘もそうなのですが。)特に子供に多いので塾の子たちもこの系統の子が多いです。
もちろん数学の設問ひとつのために1時間も考えこんで粘っているよりも、さっさと答を見て理解し、次々前進する方がずっと効率がよいでしょう。
仕事にしてもあまり細かい事にこだわりすぎず、さっさと仕上げてしまった方が周りを困らせることにもなりません。
読書にしても分からないところは抜かして、次々ページをめくっていくのが効率が良いと言えます。
しかし頭に置いておかなくてはならないのは「非常に大事な点については、とことん考え抜く習慣をつけておくこと」が勉強においては大切だと塾生に言っています。
ことに将来テクニックがますます進化していく時代では機械ができる工程は全て機械がしてくれるようになり、人間の脳に残った人間だけの分野は「創造力」ということになります。
そしてその創造力とはある、問題について自分のもつ力を全て出し切ってとことん考え抜くことによって鍛錬されていくものなのです。
先程、裁判で争う際の論理構築や解けそうで解けない数学の問題の答、ビジネス上の戦略などについて「一晩、潜在意識の中で休ませる」ことの効果をご説明しました。
しかし単純の休ませるだけではダメなのです。そのまえに「とことん考える」というステップが要るのです。
そうして初めて、何かのはずみでそれまで思いもつかなかった考えが飛び出してくるのです。
頭脳にしっかりと覚え込ませて時々それを考えるようにすると、驚くような素晴らしい発想を潜在意識が創り出してくれるということです。
細部まであれこれ考え悩むのは身体によくありませんが、「ここは!」というときに粘り強く考え抜く習慣をつけておけば様々な場面で成功するための大きな助けとなるでしょう。
前回の記事はコチラ→【潜在意識で思い浮かべるなら】