子どもを「励まし、ほめて」育て、努力を続ける力をつけていけば、その子どもは伸び伸びと大きく育っていきます。私が教える豊中の塾の子たちも伸び伸びと育っていってくれています。
とはいえ、一つだけ気をつけていただきたいことがあります。塾の講師たちにも言えることなのですが…
江戸時代後期に活躍した、細井平洲という儒者は、教育について、こんなことを語っています。
教育とは、菊好きな人間が菊をつくるようにしてはならない。
百姓が野菜や大根をつくるようにすべきなのだ。
なぜ、”菊をつくるようにしてはならない”、のか。
菊をつくる人に、自分の理想の「菊」があって、それに合わないもの、欠点が目につくものを摘み取ってしまうからです。二つか三つのつぼみを残して摘み取り、そのうちのたった一つで大輪の花を咲かせます。菊づくりには素晴らしい方法でしょうが、子育てにあてはめるのは大きなマイナスなのです。
では、農民が野菜をつくるときは、どうか。欠点のあるものを、捨てるということがありません。畝に芽を出したのも、日陰で懸命に育っていくものも、たいせつにたいせつに慈しんで育てます。
子育てとは、このように一人一人を大事に育てていくことです。
条件が違っても、相手に合った方法で育てていくことです。
そうすれば、どの野菜にも実がなるように、どの子も立派に伸びていくものです。
言い換えれば、花が咲き、実がなるように育てるには、自分の思惑を押しつけてはならないということです。
親の勝手や都合で育てようとしたのでは決して効果はあがりません。
自信をなくさせ、ひがみやいじけなどの原因をつくります。子どもの可能性を摘み取ることになるのです。
子どもは、素晴らしい可能性を秘めた知的な存在です。私たち塾講師は育てる際は大切にしています。
親の思惑を押しつけず、励まし、ほめながら、持続力をつけていけば、どの子も伸び伸びと育っていき、才能を開花させるものなのです。塾も開花させる手助けとなるといいのですが。
ここに紹介したのは、「勉強ができる子の共通点」であると同時に、プロの塾講師たちが練り上げた優れた教育実践の集大成です。大いに参考になさって、ご家庭で役立てていただきたいと思います。
前回の記事はコチラ→【秘訣第二は「持続する力」をつけること】