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学習したことを「長期記憶」としてしっかり身に着けよう

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学習したことを「長期記憶」としてしっかり身に着けよう

どうして「記憶力がない」と言う人がたくさんいるのか?

「私はどうも覚えるのが苦手でして・・・」と言う人がよくいます。
読者の方々の中にもそのような方がたくさんおられるかと思われます。いやたくさんどころか、この本の読者の9割の方は「記憶力が弱い」方なのではないかと私は推察しています。どうしてかと言うと、記憶力がよければ、このような勉強の本など必要ないでしょうから・・・。

日本における教育上(特に塾などでは)よく「記憶力だけを重んじすぎる」と評価されます。あとで書きますが、私はけっして記憶力に重点をおくことが悪い事とは思いませんが、事実、様々な資格試験や入試、塾で記憶に頼って解答しなければならない問題が多くあるのは確かなのです。

その結果、記憶力が良い人はほとんどの試験に合格するのです。このような事実をみれば試験で「記憶力」がどれほど大切かが分かるでしょう。所謂ペーパーテストのうち記憶力が要らないというものは存在しないでしょう。中学校から大学院にいたるまでの入試でも数多くある各種資格試験においても全て記憶力なしに試験対策を行うことは不可能です。
そのような大事な記憶力についてどうしてたくさんの人達は「記憶力がない」と言うのでしょうか。
それは過去に「一回覚えたはずなのに忘れてしまった(記憶が消え去った)体験」があるからだと思います。

しかし脳科学の研究によると実際は「記憶が消える」ということは起こり得ないそうです。記憶とはずっと脳内に存在するのです。ただそれが「呼び出せなくなる」だけなのです。

読者の皆さんも体験した事はありませんか?

過去に流行っていた歌や音楽を部分的に偶然聞いたとたん、その曲の全部を一瞬で思い出して、さらにその頃交際していた人への「ときめき」も一気によみがえったということが・・・。
このように記憶はいつも脳の中に存在しており、それを呼び出せなくなることを「忘れる」とか「忘却」と言っているだけなのです。

 
学習したことを「長期記憶」としてしっかり身に着けよう

忘れないようにする作業は、頭に入れてから数時間の間に

忘却についての理論では「エビングハウスの忘却曲線」が大変よく知られています。
この理論の結論だけを分かりやすくご説明しましょう。それは一回覚えた量のうち20分経過してから思い出せるのは58%、1時間経過してから思い出せるのは44パーセント、1日経過すると26パーセント、31日経つと21パーセントという結果になるーというものです。
これらから分かる重要な点は「忘れることは、覚えた時点から1日の間に一気に加速し、そのあとはゆっくり進む」ということです。頭に入れたつもりでも1日で26パーセントにまで下がってしまうのですが、その後はひと月経っても21パーセントは記憶しています。
一日経過後と一カ月経過後の記憶の量はわずか5%の差なのです。つまり覚えてから1日の間が「勝ち負けの分かれ目」なのです。従って「どのようにして覚えた物事を忘れないようにするか」は「覚えてから一日以内に、忘れないためのどのような作業をするか」にかかってくるのです。
ところが「エビングハウスの忘却曲線」に反対論を唱えるような実験結果も存在します。ある心理学者が実験台となる人達を2つのグループに分けて「記憶喚起(記憶したことを思い出すこと)」の実験をしました。一つのグループには覚えたことをそのすぐ後に思い出させ、もう一方には一日ほど経ってから思い出させて両方の「記憶の定着率」を比較したのです。

結果は一日経ってから記憶を呼び起こしたグループの方が記憶の定着率が高かったそうです。この実験結果と「エビングハウスの忘却曲線」とは矛盾しているように見えますが、そうではないのです。次のように考えればよいのです。まず記憶を呼び起こす実験は記憶したことを思い出すのに効果的な時期を測る実験であって忘却率を調べるための実験ではありません。もっと分かりやすく言うと、記憶を呼び起こす実験は効果が出る復習はどのタイミングですればよいかを測るためのものなのです。

一方エビングハウスの忘却曲線の実験は記憶した後、いつ試験を行えばどの程度の点数がとれるかを測るものなのです。エビングハウスの忘却曲線は「勉強した内容を覚えてから20分後に試験を蹴れば100点満点の58点取れるが、一日経過してから試験を受けたら26点しか取れず、1カ月経過すると21点しか取れない」ということを表しています。
他方記憶を呼び起こす実験の結果は「1週間後に試験を控えているとき、勉強の内容を記憶してから20分後に復習するよりも1日経過してから復習した方が試験でいい点数が採れるということを表しています。私が教える吹田の塾でも結果が出ていました。

従って忘却を予防するための作業(これを「記憶保持作業」と呼びます)は何かを記憶してから数時間の間にすれば一日経つと一気に忘れてしまうことを予防することができ、記憶を呼び起こすための復習は1日経ってから1週間経ってから、1カ月経ってからというように期間をおいてからするのが理想的だという考え方ができるでしょう。

前回の記事はコチラ→【ご褒美になる達成感と優越感

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