算数が苦手な子どもが多いのには、原因があった
算数ほど、「できる」「できない」がはっきりする教科はありません。
塾生の中には、算数が得意でいつも満点をとる子が五、六人いて、逆にいつも一○点、二○点あたりをうろついている子が二、三人いるというのが、ふつうの状態でしょう。
しかし、「算数が嫌い」「算数が苦手だ」という子は大勢います。吹田の塾にもほぼいると言っていいでしょう。
算数の時間になると元気がなくなったり、憂鬱そうになったり、中には「この世から算数がなくなってしまえばいい」とさえ思う子がいます。
なぜ、子どもたちは算数がそれほど嫌いなのか。あるいは、嫌いになってしまったのか―。
実に不思議なことです。
どんなに塾の講師が熱心に授業をしていても、子どもたちは「算数は嫌い」と言います。
子どもが勉強しないからではありません。
子どもが悪いわけではないのです。
「算数ができる子」について述べる前に、ここではまず、「算数嫌い」を生んだ原因について触れたいと思います。
教科書どおりに学習すれば、算数が大好きになる
子どもは、ほんとうは算数が大好きです。
にもかかわらず、「算数が嫌いだ」という子が増えてきたのは、教師の責任です。
教師の教え方に問題があります。
私は、十年前に「向山型算数」という授業方法を発表しました。この授業方法に変えた塾のクラスでは、事実、塾の子ども達が目に見えて変化します。
「算数が大好き」になるのです。算数ができなかった、勉強ができなかった子どもたちまでが「算数が面白い」と言うようになります。
それだけではありません。
塾のテストの点数も急上昇します。
クラスの三分の二が一○○点、平均点が九○点以上というのも珍しくありません。教員室でテストの採点をしていると、隣のクラスの塾講師がそっと覗いて目を丸くします。
何も特別な方法を取っているわけではありません。
いままでの教え方をやめ、素直にていねいに教えただけです。授業のときに、教科書をそのまま教える方法です。
教科書どおりに教えるこの方法を「向山型算数」と吹田の塾でも呼んでいるのです。
「教科書どおりに教えれば、子どもは算数を好きになり、できない子もできるようになり、クラスの平均点も急上昇する」というのが、「向山型算数」の主張です。
前回の記事はコチラ→【勉強できる子になれる方法!】