詰込みも必要?
日本では「詰込み教育や丸暗記は、勉強する人の創造性を失くしてしまう」とか「丸覚えは人の独創性を損なうから良くない」などともっともらしく語り継がれてきました。
しかしそのような考え方は確実に誤っています。
悪評高い「ゆとり教育」が発生した一つの要因もそのような「暗記否定説」のためではないかと思います。
教育再生に方向性を変えた今でも、やはり「詰込み」や「丸暗記」に対する毛嫌いは日本人の中に深く根をはって揺るがないものなのではないでしょうか。
しかし私は「詰込みと丸暗記は勉強の王道である」と確信しています。
詰込みで成功した例
ただし私が一人でそう訴えたところで納得いかない方が大勢いらっしゃるでしょうから、いくつかの説得力ある具体的な例をご紹介することにしましょう。
幕末期、尊王攘夷運動の先駆者となった吉田松陰は10歳そこそこで藩主に対して勉学を教えるほどの天才ぶりでしたが、
実際はスパルタ式の詰込み教育によって勉学を自分のものにしたのです。
彼は幼小の頃から漢籍などの詰込みと丸暗記ばかりを強要させられていたため、
彼の先生意外の周りの大人達が「そんなに知識を詰め込んでばかりいたらこの子の創造力が失せてしまう」と反対したほどだったそうです。
現在も日本には同じような事を訴える教育者が多くいますが、その頃から思想は進んでいないようです。
当然、吉田松陰の創造性が薄れることはありませんでしたし、それどころか吉田松陰はまさに歴史を変容させる重大な役目をはたし、波乱万丈な一生を送りました。
また彼が松下村塾で育てた弟子たちは日本の歴史を大きく動かし幕末期から明治という新しい時代の支えとなったのです。
またユダヤ人の子供達は幼小の頃からユダヤ教の教えを「丸暗記」させられて成長すると言います。
それは「小さいころから暗記力の容量を大きくしておくため」だそうです。
物理学者アインシュタインや数学者フォン・ノイマンのような秀才を続々生み出し、
ノーベル賞の受賞者が何人も生まれていることを思うとユダヤ人の詰込み式の教育が子供達の創造性を失わせているとは全くかんがえられません。