理科ができる子は、自分から進んでいろいろなことを調べてきます。最近は、インターネットを活用してさまざまな情報を集めてくる子も増えてきました。
「調べる」面白さを知っているかどうかも、理科を勉強するうえで、たいへん大きなことなのです。理科に強くなるだけでなく、社会にも強くなりますし、算数、国語すべてに関係してきます。塾での態度にも現れてきます。
では、「調べる」ことに、どうしたら興味を持たせることができるのか。
ただ単に「調べなさい」と言うのでは、子どもは調べることができません。どうやって調べたらいいのかわからないからです。方法がわからないのです。余談になりますが、「勉強しなさい」と言うのも同じで、「勉強しなさい」では何をどうやればいいのか、子どもにはわからないのです。
最初のうちは、親が一緒に調べることです。
いちばんいいのは、子どもが「なぜなの?」「どうしてなの?」と聞いてきたときに、「じゃあ調べてみよう」と一緒に調べることです。それも、聞かれたときに、すぐにその場で調べることです。「なぜ?」と思ったことがその場ですぐにわかれば、「ああ、そうか」と水がしみ込むように、情報が子どもの頭にインプットされます。そして、「調べるって面白いな」と子どもに印象づけることができます。
家にある図鑑なり、百科事典なりで調べてもいいし、近所の図書館に親子で出かけるのもいい方法です。塾で調べるのもいいでしょう。豊中の塾ではよくある風景です。
もちろん、パソコンがあれば、インターネットで調べてみるのもいいでしょう。
パソコンの使い方を子どもに教えることもたいへんいいことです。パソコンは、これからの時代、必要不可欠のものになります。早いうちから慣れておくことは大事なことです。特にインターネットは、ワープロ機能を覚える必要もありませんし、低学年の子どもでも使えます。
ただし、インターネットで調べる場合、次の点には注意してください。
一つは、ホームページの大半は、大人用に書かれているため、難しい内容のものが少なくないということです。ですから、低学年の間は、アクセスしても内容を理解するのが難しいと思います。とはいえ、数は少ないのですが、子ども用のサイトも少しずつ増えてきました。三年生以上であれば十分理解できる内容になっていますから、こうしたものを活用なさるといいでしょう。
もう一つは、インターネットは検索に手間取ることです。たとえば「めだか」について調べようとすると、数十万ものホームページがリストアップされます。
現段階では必要な情報を効率よく検索できるシステムができあがっていませんから、必要なものを選び出すというのが、たいへんな作業になっているのです。最初から子どもに調べさせるのは無理がありますから、子どもにふさわしいと思われるものを親がいくつか選んでおいてやることです。一つか二つを選んで「お気に入り」のフォルダーに入れておき、「ここを開けてごらん」と、子どもに教えてあげるといいのです。
インターネットを利用されていないご家庭なら、子どもが調べやすいように、図鑑や事典を揃えておかれるといいでしょう。買ってあげるのでしたら、親が選ぶのではなく、子どもが気に入ったものを選ばせることです。与えられたものより、自分で選んだもののほうが、子どもは喜んで調べます。
また、百科事典は、一家に一セット欲しいものの一つです。小学生が自分で買うのは多少難しくても、中学、高校で必ず役に立ちます。また、子どもに何か聞かれたときのための、親の「虎の巻」としても重宝なさると思います。
~コラム~
『百科事典を引けるようにする』
「百科事典を引ける」というのは、索引から引けるということです。
たとえば「山の天気」が出てきたら、「山」を引いてみる。「天気」を引いてみる。そこに載っているページ数からそのページを開け、枝葉をどんどん広げていきます。
私が指導してる豊中の五、六年生の塾の授業では、百科事典を持ち込んで、子どもたちに引かせます。初めは国語辞典のように引いていますが、中には違った情報を集めてくる子もいます。いろいろ工夫して引いているうちに、索引に目をつける子が出てくるのです。
索引というのは、大人用の百科事典なら、全索引のみの値段がほかの巻全部をあわせたものに相当するくらい価値があるものです。
また、大百科の索引で引けば、先の例でいうなら、「山」を引いても「天気」を引いてもそこから得られる情報は、大人用の百科事典ならそれぞれ新書版の三分の二以上に達するはずです。東大名誉教授の故・竹内均先生はそうやって本をつくっていったそうです。
子どもに引かせるなら、大人用の百科事典より、子ども用がお勧めです。
母親が子ども用の百科事典を使って、「こうやって引くのよ」と教えるといいでしよう
前回の記事はコチラ→【飽きるほど追いかける子供は理科が伸びる】