まず「受験をする」と決定する
昔、学生の頃、後に法務大臣につかれた三ケ月章教授の「民事訴訟法」の講義を受けようと思って、初めの授業に出たときのことです。
教授が口を開くなり次のように仰ったのを私は強烈に記憶しています。「皆さんの中には、行政訴訟の基礎を学ぶためにこの民事訴訟法の授業をとって試験は受けないつもりの生徒がたくさんいると思う、しかしそのような考え方はすぐに正してほしい。
授業を受けるのであれば是非試験を受けなさい、私は試験を受ける生徒のために授業を行うつもりだ。司法試験の受験も是非受けるべきだ」教授がこのように仰った理由を分かりやすく説明します。
その当時の東京大学法学部では国家公務員試験だけを受験する予定をしている生徒の中には民事訴訟法の単位をとらなくてもよいコースをとって勉強量が多い民事訴訟法の試験を受けない人がたくさんいたのです。
ただ国家国務院試験の最も重要な学科である行政法の「行政訴訟」は基礎的な事柄が民事訴訟法にあり、行政法で高い点数を取るためには、民事訴訟法の基礎が必須なのでした。
そのために「民事訴訟法の授業は受けるけれども、試験は受けない」という生徒が相当数いたのです。
三ケ月教授の話を聞いて、怠慢でまた言いなりだった私は、民事訴訟法の授業に出なくなりました。「講義だけ受けようと考えていたのに、試験は受けたくないな」と考えたのです。
つまり教授に言われたことを自分に対して「授業にでなくてもよい」という言い訳にしてしまっただけなのですが。
しかし今思うと三ケ月教授の仰ることがごもっともだったということが、しみじみ分かります。
「試験において好成績を取ろう」とするとそれがやる気につながってしっかり授業にも出るし、予習や復習も続けられるのです。これは吹田の塾生のやる気にも繋がりました。
反対に「試験」という目的がなければ、授業が始まってひと月もすれば大抵の生徒(塾生も含め)は勉強へのやる気をなくしてしまいます。
結果的に彼らはただ単に授業に出るだけとなってしまい、やがて授業にも出てこなくなってしまうことになるでしょう。塾へ通わせている親としては損でしかありません。
このように何かを学習しようとするときは「受けなければならない試験の予定がある環境」に身を置くのが一番良いやり方です。
1番は受験に強い塾へ入れること。英語力をのばしたいならTOEICや英検の願書を出してしまうのです。
それ以外でも「ビジネス法務」「経済学検定」「数検」「漢検」など様々な学科の試験が、今日たくさんありすぎぐらいで揃っています。それらをまず受験することにするのです。
もちろん司法書士試験や会計士試験などの資格試験を受験するときにも決心を固めた時にただちに受験の手続きをすませてしまいましょう。(その年の願書の受付が終了していたら次の年になってしまいますが)
すると試験予定とそれまでに終わらせる勉強の内容がはっきりし、「やらなければ」という心構えが試験の日までは持続できるでしょう。
前回の記事はコチラ→【新しい決意!試験を目標に…】